しかし、実際に家族を見送った立場として、遺影がもたらす安心感や癒しの力を強く実感しました。
今回は、私自身の体験をもとに、遺影写真を生前に準備しておくことの大切さについてお伝えします。
1.生前に準備された遺影に救われた
私の母は、亡くなる約10年前、宝塚ホテルの写真室で遺影用に写真を撮っていました。
本人もその写真をとても気に入っており、生前から部屋に飾っていたほどです。
その写真は解像度も高く、大きく引き伸ばしても非常に美しく、
母らしい凛とした姿がしっかりと残っていました。
2.「その人らしさ」を残すために
母の最期の2年間は施設で過ごしました。
施設の職員の方が母の日常をアルバムにまとめてくださり、それはとてもありがたいものでしたが、
私たち家族にとって「母らしい姿」は、やはりあの10年前の写真でした。
気丈で前向きだった母の印象は、その遺影にしっかりと収められていました。
3.急遽用意した遺影のリスク
仕事柄、多くの方のお葬式に参列する機会がありますが、
ゴルフ場で撮影したスマートフォンの写真や、集合写真の一部を拡大したような、
画質の粗い遺影を見かけることも少なくありません。
いざという時に適切な写真がないと、遺族が困り、後悔することにもなりかねません。
4.ご自身の写真をきちんと用意しましょう
「遺影を用意する」というと抵抗を感じるかもしれませんが、
見方を変えれば、それは家族への思いやりです。
普段から、節目ごとにきちんと写真館で撮影をしておくことをおすすめします。
また、経営者や士業の方であれば、ホームページ用のプロフィール写真も
5年に1度くらい更新していくとよいでしょう。
自然な形で、自分らしい姿を記録していくことが、
結果的に遺された家族を癒すことにつながります。
まとめ
遺影は、単なる「形」ではありません。
家族が亡き人と心をつなぐ、大切な存在です。
生前に準備された美しい遺影は、
大切な家族にとって、何よりも大きな心の支えになります。
相続や終活を考える中で、ぜひ一度、
「ご自身の写真をきちんと残しておく」という選択も意識してみてください。